スポーツで子どもが身につける力 剣道七段小林節子先生の指導法

f:id:makomako12i-color:20150322000109j:plain

こんにちは。スポーツキッズコミュニケーターのMAKOです。

先日ある方とのご縁のおかげで、剣道界においてすばらしい経歴をお持ちの女性にお話を伺う事ができました。女性史上二人目の剣道七段有段者であり、今も指導に携わっていらっしゃる小林節子先生(76歳)です。まさに女子剣道界の第一人者である先生ですが、特に子どもと女性からの人気が高く、口コミで指導希望者は今も絶えないそうです。先生の指導法はどんなところに魅力があるのでしょうか。

小林先生の生徒さんに伺ってみるとその人気の理由は

◆厳しいけれど辞めずに続けられる指導法だから

◆勝つためだけでない指導法だから

◆力や体型に合った指導法だから

大きく分けるとこの3つでした。

今回は私が最も興味のある『子どもを指導する際のポイント』を具体的な事例を交えて教えていただきましたので、それをご紹介します。

集中力と観察力を持たせる工夫

子ども達全員にやり方を説明した後1人ずつその動きをさせると、必ず出来る子と出来ない子が出てきます。その時説明した事が全く出来ていない子には怒らずに「1度外れて見てなさい」と言って順番に練習する輪から外すそうです。そうすると外された子は他の子達の姿を真剣に観察し「もう1度入れて下さい」と言って来ます。
そしてまた輪に入れると今度はちゃんと出来るのです。そこで小林先生はすかさず一言「ちゃんと聞いていれば出来るでしょ?」こう言われれば子ども自身も納得でしょう。そして、もう輪から外されたくない!というプライドも加味され、先生の指導を集中して真剣に聞き、友達の練習もしっかり観察するようになるのです。

勝ち負けよりも内容と継続した事実を評価する

「試合に勝ち負けは付き物。でも優勝したからと言って褒めるとは限りません」との事。優勝してもその試合内容が良くなければ褒めず、たとえ試合に負けても内容が良く練習の成果が出ていれば「あの技は良かったねー!」と笑顔で褒めるそうです。

また、なかなか上達しない子でも「今日は声が出てたね!」「前回より腕が上がるようになったね!」と少しでも良くなった点をみつけては声をかけるそうです。これらの対応から子ども達も「小林先生は自分の事をいつも見てくれているんだ」と感じ取れるのでしょう。実際上達に時間がかかった生徒ほど中学高校まで剣道を続けているそうです。

また、親御さんが早々と「上手くならないので辞めさせようと思う」と相談に来る事もあるとか。そんな時は「小学生は6年まで、中学生は中学3年まで。まずはある区切りまではしっかりやらせてそれから判断しましょう」とアドバイスされるそうです。

しんどいから辞める、すぐに上手くならないから辞める・・を繰り返していては何も身につきません。逆にまじめに練習を休まず継続していれば、どんな子でも多少時間はかかっても必ず力は付き上達していくのです。この続ける大切さを教える工夫として、練習を1度も休まず通った子に贈る『皆勤賞』は最も良い賞品にしているそうです♪

先生は「1つの事を継続する中で、自分にも出来るという自信と、仲間との絆ができ良い人間関係が構築されていくのです」と話されていました。

ゲーム感覚の中で集中力と団結力を持たせる

例えば面打ちの練習では、5人1組のチームを複数チーム作ります。ルールは、面打ちの数を統一して決め、次の子が前の子の数を数えて5人総当たりで面打ちを実施。「どこのチームが正確な数で早く終わるか、よーいどん!」で始めるそうです。すると面打ちする順番を皆で相談し、他の子がやっている時も数を数える事に集中し、自分のチームが勝てるかドキドキしながら一生懸命面打ちするのです。この練習で、団結力・集中力・ゲーム感覚の楽しさが味わえる訳です。そして数を数え間違えて負けた時は「自分がちゃんとやらないと他の人に迷惑がかかる」という事も体験できるのです。すばらしく合理的!そしてやはり男の子の多いスポーツはゲーム性を持たせた方が盛り上がるのですね(^^)

最後に女性に人気の理由はこれです。

女性や子どもの力や体型に合った指導法

女性は男性に比べて腹筋も背筋も弱く、筋力がない分姿勢も前かがみになりやすいそうです。そんな時は「胃を上に持ち上げるように」と声かけします。また足の動きを説明する時は「今お尻の位置は右と左どっちが下がってるの?」という具合。男性指導者からは出ない言葉ですね(男性が言ったら今ではセクハラに値してしまうかもしれません)

また女性は握力も弱いため、竹刀の持ち方も男性とは違う指導法になるそうです。子どもも同様、背の高い子と低い子では指導法を変えているとの事。その体型を生かした剣道があるのです。

このように個々の状況に適した指導が出来るのも、女性であり母でもある小林先生ならではなのでしょうか。

まとめ

練習を見学させていただくと「○○さん、ちょっとやってみ!」なんてイマドキな言葉遣いもされていて驚きました。ご自身の権威を見せつける事なく近づきやすい雰囲気を作り、その中で行う厳しい指導。まさに以前和田中学校の子ども達から要望として上がった『厳しくて楽しい練習』を実践されている先生でした。

最後に先生は「この子達を何とかしてあげようという思いで指導していれば、むやみに褒めたりしなくても子ども達はついて来てくれます」とおっしゃられていたのが印象的でした。

スポーツに限らず、多くの指導者の方々にこの小林先生の指導法を踏襲してほしいと強く感じた1日でした。小林先生、貴重なお時間をありがとうございました。

*****************************
   ★自慢のスポーツ指導者をお知らせ下さい★
「私のコーチはこんなにすばらしい指導をしてくれています!」
「うちの子はこの監督のおかげで毎日楽しそうに練習に励んでいます!」
そんな自慢のスポーツ指導者の方をご存知でしたら下記メールまでお知らせください。自薦他薦問いません(^^)このMAKOのブログでご紹介させていただきます。

<連絡先メールアドレス>
konomako@tc4.so-net.ne.jp

日本中のすばらしい指導者の情報をお待ちしております♪