和田中学校からスポーツ指導変革プロジェクト開始!Change Sports by Kids~後編~

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こんにちは。こども達の素質とやる気を活かすお手伝いをしていますスポーツキッズコミュニケーターのMAKOです。

先日ご紹介しましたスポーツ指導変革プロジェクト『Change Sports by Kids』。日本独特の根性論や指導者優位のスポーツ指導を子ども達の声と子ども達の力で変えていこう!という活動報告の後編です。

前編をお読みでない方はまずこちらをご覧下さい 


和田中でスポーツ指導変革プロジェクト『Change Sports by Kids』がスタート! -前編- - こどものやる気をグンと伸ばしたい➚MAKOのブログ

和田中学校にてプロジェクトがスタート!

12月某日の放課後、杉並区立和田中学校の視聴覚室に運動系クラブに所属している中学生約40名が集合してくれました。この日は雨だったため部活動も室内練習が多く、廊下で筋トレをする子ども達も多数いました。各クラブのユニフォームを来たスポーツキッズ達が教室一杯に集まるとなかなかの迫力です!

スポーツ指導者側も悩みながら指導している実情をレクチャー

今回のプロジェクトの要はこども達のスポーツ指導に対する生の声を聞き出すこと。
まず冒頭はコヂカラ・ニッポン理事の尾崎えり子さんから今回の趣旨と流れを説明。そして生徒達のグループワークの前に「スポーツ指導者側はどんな思いで日々の指導に向かっているのか」をサッカー日本代表の岡田武史前監督や、高校野球の優勝監督などの事例を上げて聞いてもらいました。一流の指導者だって1人の人間。皆が想像する以上に日々悩みながら指導に当たっている事を伝えます。中学生達も有名監督の実話に興味を持ち真剣に聞き入ってくれていました。

スポーツ指導で嬉しかった事

いよいよグループワーク開始。クラブ毎に4人1グループになり「スポーツ指導の中で嬉しかった事と嫌だった事」を順番にそれぞれ3つ思い出して書いてもらいます。書くと言っても紙にではなくi-pad上にです。和田中学校ではこのように生徒から意見を出すグループワークを授業内でも頻繁に行うため、この視聴覚室には1人1台i-padが用意され生徒達はそこに意見を書いていきます。今後生徒1人にi-pad1台を準備予定とか。さすが和田中です☆☆☆

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まず考えてもらった「スポーツ指導の中で嬉しかった事」では「え、3つもないよ・・。」と呟く子もいて現状を垣間見た気がしました(^^;)
そして出てきた「嬉しかった事」は
・ミスをしても「次頑張ろう」と言ってくれた
・「期待している」と言ってくれた
・頑張ったら褒めてくれた 
・試合でピンチの時に「信じている」と言ってくれた
・生徒の意見をいつも尊重してくれる  
・人に合わせたアドバイスをしてくれた
・怒鳴らないで丁寧に指導してくれた
・日々の努力を評価してくれた
・ダメなところの改善点を教えてくれた
・自分の意見を取り入れてくれた
・辞めそうになった時に引き止めてくれた  など

まとめると
ポジティブな声かけ
1人1人に合わせた指導・アドバイス
生徒の声を聞き入れてくれる
気持ちに寄り添った言動

という点が子ども達の心にプラスに響いているようです。

スポーツ指導で嫌だった事

次に「嫌だった事」のグループワーク。こちらは各グループをまわって見ていると、どんどん意見が出るグループとあまり思いつかないグループに二分されクラブ毎の温度差が感じられました。そしてこんな声も↓

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これは納得いかなくて当然ですね。

その他上がってきた意見は

・理由を言う前にダメと言われた
・試合前に脅しのような言葉をかけられた
・過去の敗戦を繰り返し悪く言われる 
・「帰れ」と言われた 
・同じ生徒ばかり注意する   
・他人と比べられた ・訳のわからない練習 ・謝ってくれない
・無理な事をやらされたのに出来なくて怒られた
・こちらの話を聞いてくれない
・自分なりに考えた結果を全否定された
・イライラしていて態度を変えられた 
・自分は何でも知っていると思っている などこちらの方が多種多様でした。

まとめると
★ネガティブな言葉かけ
★無意味な練習
★生徒の意見に耳を傾けていない
★感情的な言動・理不尽な言動
がこども達のモチベーションを落としているようです。

そして、嬉しい事と嫌だった事の両方を合わせて考えると
①言葉かけ ②技術指導 ③対応・対話 ④人間性 の4つに分類される結果となりました。

私が予想していたものと違った点は1つ。「嫌だった事」に「日々の厳しい練習」が上がらなかった事です。厳しい練習は自分の成長のためには必要だと自覚できているんだ!と軽い驚きと感動がありました。

スポーツ指導で守ってほしい10ヶ条

そしてこのそれぞれの意見を聞きながら「自分が考えるスポーツ指導で守ってほしい10ヶ条」を考えてもらい、その中で最も守ってほしい事を1つ選んで全員でi-padに入力。入力の際はその内容が①~④の分類のどれに当たるか色付けしてもらい、先生の「いっせーのーせっ!!」の掛け声に合わせて全員で一斉にオープンにしました。
するとみんなの入力画面がこのように映し出されました。
「色別でなんてわかりやすいんだー!」とひととき感激♪

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詳細は下記のようになりました。

1位.1番守ってほしいのは「対応・対話」で全体の37%。具体的な声は

・言いたいことがあるなら態度ではなく言葉で
・1人1人と向き合ってほしい
・自分なりに考えた結果を否定しないでほしい
・注意ばかりせずに良いところも見てほしい  
・自分達の意見を少しでも聞いてほしい
・皆に平等に接してほしい
・私たちはあなたの操り人形じゃない     など

みんな「自分の方を向いて対話してほしい!」「自分の意見に耳を傾けてほしい!」と望んでいるのです。

2位.次に多かったのは「技術指導」で全体の27%。具体的な声は

・楽しくて意味のある練習がしたい
・厳しく楽しく疲れる練習がしたい
・注意するときに理由をちゃんと言ってほしい
・人に合わせたアドバイスをしてほしい
・指導者が目指している事を知りたい      など

3位.最後は「言葉かけ」と「人間性」が同率の18%でした。生の声は

・上手くいった時は一言だけでも褒めてほしい
・自分で立ち直る邪魔をしないでほしい
・私情を挟んで指導しないでほしい
・自分を過信しないでほしい
・暴言をやめてほしい          など
子ども達は冷静に指導者の事を見ていますね。

まとめ

2番目に多かった「技術指導」のところで上がった2つの本音
「楽しくて意味のある練習」「厳しくて楽しくて疲れる練習」を望んでいるとはステキな本音だなぁと大人の私の心にも響きました。
練習の意味をお互いが理解し合って指導者と正しいコミュ二ケーションが取れていれば、厳しくても楽しく練習出来ると捉えているのです。子ども達は純粋に好きなスポーツをしっかり練習して上手くなりたいと願っているんです。

今回の初企画で聞こえてきたスポーツキッズ達の本音。「この要望に近づけていってあげたい!!」と心底思うと共に「必ず実現させてあげよう!!」と自分に誓った大切な日になりました(*^_^*)

ここからがスタート☆本格的な活動に向けてどんどん進めていきますよ~!!